2018年09月06日
理研、新たなT細胞分化制御機構を発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は5日、T細胞の分化および機能発揮に重要な「Cd4遺伝子」の発現に関する新たな制御機構を発見したと発表した。
まだ不明な点が多いT細胞分化だが、それを制御する分子機構の一端を明らかにした。今後、iPS細胞などを用いた人為的なT細胞の作製による疾患治療の試みに貢献すると期待できる。

今回、理研 生命医科学研究センターの谷内一郎チームリーダー、香城諭上級研究員らの研究チームは、成熟した「ヘルパーT細胞」で機能する新たな遺伝子制御領域(Cd4成熟エンハンサー)を同定した。このCd4成熟エンハンサーを欠損させたマウスでは、ヘルパーT細胞におけるCd4遺伝子の発現が不安定となり、T細胞の分化異常が認められた。
さらにこの成熟エンハンサーが、ヘルパーT細胞では「オン」、キラーT細胞では「オフ」となっている機構について解明を試みた。その結果、定説とは異なる新たな制御機構も発見した。

本研究は、英国のオンライン科学雑誌「Nature Communications」(9月5日付)に掲載された。