2018年10月19日 |
慶大とエーザイ、iPS細胞でパーキンソン病薬候補物質発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:エーザイ、慶応大学 |
慶應義塾大学医学部生理学教室の岡野栄之教授らとエーザイとの共同研究グループは19日、iPS細胞を用いてパーキンソン病治療薬の候補物質を発見したと発表した。 研究グループは、遺伝性パーキンソン病患者由来のiPS 細胞から誘導した神経前駆細胞を利用して、ドーパミン作動性ニューロンを大量かつ安定的に供給可能な分化誘導系を確立した。さらに、このドーパミン作動性ニューロンに見られるストレスに対する脆弱性をスクリーニングして、カルシウムチャネルに対する阻害作用を有する化合物を見出した。 さらに詳細な解析を行い、患者由来ドーパミン作動性ニューロンではT型カルシウムチャネルの発現が上昇していることを見出した。また、このT型カルシウムチャネルを介したカルシウム流入を阻害することでストレスにより誘発されるニューロンの細胞死を抑制できることを明らかにした。 今回の成果により、疾患特異的iPS 細胞と既存薬ライブラリーを組み合わせることで治療薬開発と病態解明の両方が可能となることが示唆された。同様手法を用いることで従来治療法のなかった神経変性疾患に対しても治療薬の開発に結びつくことが期待される。 同研究成果は10月18日(米国東部時間)に「Stem Cell Reports」のオンライン版に掲載された。 ニュースリリース https://www.eisai.co.jp/news/2018/pdf/news201887pdf.pdf |