2018年10月23日 |
三洋化成、新型リチウムイオン電池、市場展開開始 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:三洋化成 |
三洋化成工業は23日、慶応大学などと共同で研究してきた新型リチウムイオン電池の工業化にめどがついたため、ラボスケール実証向けサンプルワークを開始したと発表した。2020年の実用化に向けて、主にビルや工場向け定置用大型蓄電池として市場展開を目指す。 同社は慶応大学の堀江英明特任教授やパートナー企業と共同で、これまでとは全く異なる新型リチウムイオン電池の開発に取り組んできた。パートナーの社名や数などは非開示。 一般的にリチウムイオン電池は、集電体である金属箔に、電極材をスラリーにして塗布し、乾燥工程を経て電極を形成する。今回開発した新型リチウムイオン電池は、界面制御技術を活かして、集電体、電極を樹脂化することでセルの大型化、厚膜化を実現した。積層による直列接続が可能なため、接続部品点数を減らし、システム全体を小型化した。また、樹脂で構成するため形状の自由度が高く、従来にない新規需要展開が期待できる。理論上、製造コストは従来法と比べて有利としている。 昨年要素技術を確立して以来、ビルや工場などの定置用大型蓄電池向けを中心に市場調査や技術課題抽出を行ってきた。今回、実用化に向けラボスケールでの電池システムとしてサンプルワークを開始した。民生用大型蓄電池として市場展開を加速していく方針だ。 ニュースリリース http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1540263247.pdf |