2018年10月26日 |
東北大など「非常時の電力・水素エネ発電」72時間連続運転成功 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:東北大学 |
NEDOは25日、東北大学および産業用冷凍機メーカー、前川製作所(本社:東京都江東区、前川真社長)と共同で、仙台市茂庭浄水場に構築した電力と水素の貯蔵システムを組み合わせた「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」実証テストで、72時間(3日間)の連続運転に成功したと発表した。 同システムは大規模自然災害による長期停電を想定して開発してきた。今回、太陽光発電出力や負荷消費電力の不規則な変動に対しても高品質な電力を長時間安定供給できることを実証した。化石燃料が不要で、非常時でも高品質な電力を長時間安定して供給することができる。CO2フリーの新たな非常用電源として、今後、浄水場をはじめ、各自治体の大規模自然災害発生時の避難場所などへの導入が期待される。 東北大学と前川製作所は今回、NEDO事業として共同実施先である日本ケミコン、神鋼環境ソリューション、北芝電機の各社とともに電力貯蔵システムと水素貯蔵システムを組み合わせて、通常時の利用と非常用電源としての機能を併せ持つ「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」を考案・開発した。 通常時だけでなく大規模自然災害発生時の長期停電に対する大容量非常用電源であることを実証するために、仙台市茂庭浄水場に20kWの実証システムを構築し、2017年8月から大規模自然災害による長期停電を想定した連続運転を実施してきた。実証の結果、大規模自然災害による長期停電を想定した72時間(3日間)連続運転に成功し、太陽光発電に特有な不規則な電力の変動に対しても、長時間安定供給できることを実証した。電力貯蔵システムと水素貯蔵システムのエネルギー貯蔵量を逐次測定し、常時の変動補償制御と並行して両エネルギー貯蔵量がそれぞれの目標範囲内に収まるようにエネルギー貯蔵量を制御することに成功した。 |