2018年11月13日
理研、固体/液体界面の電気二重層 真空中で解析
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所(理研)開拓研究本部の共同研究グループは12日、固体/液体界面の「電気二重層」の状態を溶液中および真空中で精密に測定できる複合システムを開発したと発表した。

電気二重層では、固体/液体の界面近傍に大きな電位差が生じ、さまざまな電気化学反応が進行するが、その詳細はよく分かっていない。

今回、共同研究グループは、電解質溶液中の電極に電圧をかけた際に、界面に形成される厚さ1ナノメートルの電気二重層を真空中に取り出すことに成功した。印加電位に応じて可逆的な酸化還元反応を起こすフェロセンという錯体分子を電極に固定することで、電気化学測定と光電子分光測定の組み合わせにより、真空中でも電気二重層が保持されることを明らかにした。

同研究成果は、今後、蓄電池や電気二重層キャパシタどの電気化学デバイス、二酸化炭素還元の電極触媒などの開発において、より高効率な設計を行う指針を与えると期待される。

同研究は、米国の科学雑誌「Journal of the American Chemical Society」の掲載に先立ち、オンライン版(10月2日付)に掲載された。