2002年03月25日
宇部興産、タイのナイロンコンパウンド工場完成
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産

 宇部興産は25日、タイの子会社であるUBE NYLON(THAILAND)LTD(UNT社、森本一社長、出資比率:宇部興産グループ91%、日商岩井グループ9%)が建設していたナイロンコンパウンド工場が完成、22日、ソンポウテイ・タイ国投資委員会副長官、テラ・ラヨン県知事らを迎えて竣工式を行なったと発表した。
 
 同社のカプロラクタム・ナイロン樹脂事業は、原料のカプロラクタムから、ナイロン6及びナイロンコンパウンドまで一貫生産の強みを活かし、グローバル供給体制確立を基本戦略としている。UNT社はその一貫として、新たにガラス繊維で強化したナイロンコンパウンドの生産を行うもの。 
 
 生産能力は6,000トン/年。4月から本格生産に入り、タイを中心としたアジア市場、さらに欧米市場へも出荷対応する。また一部銘柄は、生産を日本から現地へ移し、コスト低減を目指す。

 UNT社は、1997年からナイロン6の重合生産を行っており、現在21,000トン/年の生産能力をもっている。主にアジアのモノフィラメント、食品フイルム等の用途・市場向けへ出荷されている。最近では、日系、欧米系の自動車及び関連部品メーカーのタイを中心とした東南アジアヘの進出が盛んで、部品の生産も急速に現地化が進んでいる。
 
 自動車のエンジンルーム内は高温で振動があるため、エンジン周辺の部品には耐熱性、剛性の優れたガラス強化ナイロンが多く使われている。この分野での需要葉引き続き増加が見込まれているところから、コンパウンドエ場の建設を進めてきた。
 
 宇部興産では、日本の自動車市場において、インテークマニホ一ルド、シリンダーヘッドカバー等機能部品向けに、さらに電動工具、農機具、オフィス家具など多分野にわたってナイロンコンパウンドグレードを供給してきた。。

 なお、スペインにある子会社PQM社(会長兼CEO:渡辺史信氏、宇部興産グループ100%出資)でも、2003年の稼動を目指して、ナイロン6及びコポリマーの重合プラントを建設中で、日本、アジア、欧州の世界三極体制の強化を進めている。