2002年03月25日
三菱ガス化学、生分解プラスチック市場本格参入へ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱ガス化学

 三菱ガス化学は生分解プラスチック事業に参入するため本格的な準備に入った。鹿島工場のポリカーボネート設備の一部を転用し、2003年には年産数百トン規模の生産に入る。引き続き2004年完成をめどに約40億円を投じ、同1万トン規模の設備建設を目指す。
 
 同社が開発した生分解プラスチック(商品名「ユーペック」)は、コハク酸を原料にしたポリエステルカーボネートで、ポリエチレンとポリプロピレンの中間的な物性をもち、熱安定性に優れ、一般の汎用プラスチックと同じ成形方法で成形加工できる。
 
 またフィルム、シート、発泡用途では、ポリエチレンと同等以上の外観、風合い、物性が得られる。空気中では分解しないが、土の中に埋めると分解がはじまり、通常は3カ月で完全分解する。生分解速度は共重合比率によって調整できるなどの特徴をもっている。
 
 農業用マルチフィルムやコンポストバッグなどフィルム分野にニーズが強いところから、主にこれらフィルム用に需要開拓していくが、将来はショッピングバッグ、食品包装などにも用途を広げていく方針だ。