2002年03月25日
日・韓のL-Lメーカー、中国向け価格をさらに引き上げへ
4月納入分、600~620ドルへの修正を目指す
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 アジアにおけるL-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の2大供給国である日本、韓国の両国の同樹脂メーカーは、中国向けの輸出価格を引き続き4月も上方修正することにして先週末までに相次いで同国ユーザー筋に通告した。
 
 日本企業の中では、SPDS(サウディ石油化学)が口火を切って3月納入分よりもCFRトン当たり60~70ドル高い600ドルでオファーしている。一方、韓国ではハンファ、現代石油化学などが中心となって同じく60~70ドルアップの600~620ドルを提示している。これに対して、中国の需要家の中には基本的同意を表明するところが一部あらわれている模様。

 こうした要求がそのまま受け入れられると、中国向けのL-LDPEの価格は4ヵ月で合計200ドルの改善が実現することになる。これまで、最大消費国の中国向け価格の修正をリードしてきたのは日・韓両国のL-LDPEメーカー。その両者が4月分も引き続き底上げすることにしたのは、従来の価格ではなお赤字を解消できないうえ、原料ナフサ価格が3月の受け入れ分以降さらに大幅に引き上げられることが確定的となったため。

 今後の交渉の行方を左右する同樹脂のアジア全体の需給バランスは、アジア全体の需要が旺盛なのに加えて日・韓両国のエチレンセンターの間で定修による運休が相次ぐため一段とタイトとなる見通しにある。