2002年03月25日
大洋塩ビ、4月も塩ビの輸出価格を大幅修正
3月比80~90ドルアップで交渉決着
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 大洋塩ビはかねて中国の需要家各社との間で、PVCの4月の納入価格について話し合いを進めていたが、このほど、香港など主要港渡しの価格(CFR)をトン当たり610~620ドルに引き上げることで決着した。3月に比べると80~90ドルアップということになる。
 
 これで、同社のPVCの中国向け輸出価格は4ヵ月連続して是正されることが決まった。最近のボトムである昨年12月に比較すると計200ドルの改善となる。他のPVCメーカーも同様の値上げに踏み切る構えだ。これによって各社とも、長期間続いてきた採算割れ輸出から脱却するとともに、最近のナフサ価格の上昇分の転嫁も合わせて実現したい考え。
 中国側がこうした大幅是正を数ヵ月にわたって受け入れるのは異例のこと。これには、同国内の需要が引き続き旺盛な中で、米オキシデンタルによるEDCの大幅減産や日本ならびに韓国のPVCメーカーによる春の定修のいっせいスタートなどで世界的にPVCの供給力が一気に縮小して需給バランスが急速に逼迫してきたことが大きく作用している。
 今後も、特にアジア地域におけるPVCの需給はなおしばらく逼迫状態が続く見通しにある。一方、わが国のPVCメーカーは、3月以降のナフサ価格の大幅上昇が必至なため同樹脂の価格を内外ともに引き上げていく必要に迫られている。このため先ずは多くのPVCメーカーが、“売り手市場”となっているアジア地域向け輸出価格の是正に引き続き多くのエネルギーを集中することになるのではないかと見られる。