2019年06月25日
JST、世界初 アーバスキュラー菌根菌の純粋培養に成功
微生物肥料としての大量生産に道
【カテゴリー】:新製品/新技術(行政/団体)
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構は25日、アーバスキュラー菌根菌(AM菌)の純粋培養が可能となり、大量生産できる可能性が開けたと発表した。大阪府立大学、自然科学研究機構基礎生物学研究所、信州大学、北海道大学などが研究にあたった。

アーバスキュラー菌根菌(AM菌)は微生物肥料として農業利用が期待されている土壌微生物で、植物と共生しないと生育できない性質を持っている。脂肪酸を添加した培地でAM菌を単独で培養したところ、生育が促されて共生能を持つ次世代胞子が形成されることを発見した。

AM菌はイネ科やマメ科など重要作物を含むほとんどの植物と共生関係を結ぶことができ、必須栄養素であるリンを植物に供給する。リンは有限の資源で、先進国ではリンは過剰に施肥される傾向にあり、土壌環境に対する過負荷が懸念され、水系汚染の原因ともなっているためAM菌の微生物肥料としての活用が期待されている。

この研究成果は、英国時間2019年6月24日16:00(日本時間2019年6月25日0:00)に英国科学誌「Nature Microbiology」のオンライン速報版で公開された。


参考:科学技術振興機構HP
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20190625/index.html