2019年09月10日
日本触媒、核酸医薬品展開へ東大発ベンチャーに出資拡大
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本触媒

日本触媒は10日、東京大学発スタートアップのベンチャーで核酸医薬品を開発する TAK-Circulator(本社:東京都文京区、西 康宏社長)と、TAK-Circulatorが開発したステロイド抵抗性難治重症喘息を対象とした核酸医薬品「TAKC-02(開発コード)」(Gapmer型アンチセンス核酸)を共同商業化する契約を結んだと発表した。

同剤には、好中球や好酸球の遊走・浸潤に関与する生理活性物質を制御し、気道炎症を抑制する効果が期待されている。好中球性の重症喘息薬としては初の薬剤となる。

また日本触媒はこれを機に、TAK-Circulatorの第三者割当増資を引き受けることで合意し、10日付で増資後の発行済み株式総数の35.28%(16,000株)を取得した。

TAK-Circulatorは、 東京大学保有の革新的な研究シーズを事業化し、皮膚細菌叢解析サービスであるマイクロバイオーム事業と核酸医薬品などの創薬事業を展開中だ。日本触媒はこうした開発に協力しようと2016年8月、同社に出資し資本提携した。TAK Circulatorで「TAKC-02」の前臨床試験の準備が進み、日本触媒でも受託製造の環境が整ったところから、今回の共同商業化および出資拡大契約となった。

商業化に向けては、 主にTAK Circulatorが臨床試験や承認申請を担い、日本触媒は治験薬の製造、各臨床試験および承認申請を支援することで早期商業化をめざす。 GMP原薬の製造は、日本触媒が2019年7月に竣工した中分子原薬合成施設で行う。本格製造の開始は2020年中の予定。

■TAK-Circulatorの企業概要(増資前)
(1)企業名 TAK-Circulator株式会社
(2)所在地 東京都文京区本郷 東京大学アントレプレナープラザ704
(3)代表者 代表取締役 西 康宏
(4)事業内容 ◇次世代シーケンサー等のゲノム情報解析技術を用いた細菌叢解析事業◇創薬事業
(5)資本金 100百万円
(6)設立 2014年1月17日
(7)発行済株式総 74,700株(本件増資前)
(8)決算期 12月期
(9)従業員数 15名(2019年9月現在)
(10) ウェブサイト https://www.tak-circ.com/drug/


ニュースリリース参照
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1568089803.pdf