2019年09月11日
基礎生物研・名大・高知大「花の遺伝子機能」発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:名古屋大学

自然科学研究機構・基礎生物学研究所(NIBB)の得津隆太郎助教(環境光生物学研究部門)、皆川純教授らは11日、「花のスイッチを入れる遺伝子の新たな機能」を発見したと発表した。

季節ごとに咲く色とりどりの花は自然現象の一つだが、生物の進化過程でどのように花芽が形成されるのかはわかっていなかった。得津助教らは名古屋大学の松尾拓哉講師(遺伝子実験施設)、高知大学の山﨑朋人助教(理工学部)らと、地球上の光合成生物が持つ「光防御反応(強すぎる光から身を守る反応)」の仕組みについて共同研究を行い、植物において花芽の形成時期を制御する遺伝子(CONSTANS)が緑藻の光防御反応を制御することを発見した。

さらに詳しく解析した結果、緑藻が強すぎる光から身を守る仕組みには植物の花芽形成と共通する部分があることが分かった。これにより、植物の花芽形成に関わる遺伝子系の進化、つまり遥か昔に水生の藻類が花作りのスイッチを制御する仕組みを獲得していたことが見えてきた。

本研究成果は、国際学術誌「Nature communications誌」に2019年9月10日付で掲載される。

ニュースリリース参照
http://www.nibb.ac.jp/