2019年09月12日 |
東北大、生体適合性材料で新スペクトル解析成功 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院の高橋まさえ准教授(農学研究科)、松井広志准教授(理学研究科)らの研究グループは12日、生体適合性材料の双性イオン分子で、温度や圧力などの環境への感受性をつかさどる弱いファンデルワールス力の発現を、テラヘルツ光と大型放射光施設(SPring-8)を用いた測定と、高精度第一原理計算による理論解析によって明らかにしたと発表した。 生体適合性材料は、生体と接触した際の拒絶反応を防ぐため、人工臓器のコーティングやドラックデリバリーなどに広く応用が期待されている。生体適合性材料である双性イオン分子は、温度や圧力などの環境に敏感で、室温程度のエネルギーで容易に影響を受けるごく弱いファンデルワールス力がこれらの特性をつかさどっている。 今回、水素結合検出に有用なテラヘルツ光と、微量試料の測定に有効な高輝度放射光を用いて、ファンデルワールス極限の弱い水素結合の形成を低温で観測することに成功した。本研究は、温度、圧力などの環境に感受性を持つ生体適合性材料のデザインに新たな機軸を提供するものとなる。 研究の詳細は、9月11日(英国時間)に英国のオンライン科学雑誌「Scientific Reports」 に掲載された。 |