2019年09月12日
広島大、夜行性哺乳類の細胞核構造の再編仕組み発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:広島大学

広島大学大学院の李聖林准教授(統合生命科学研究科)らの研究グループは12日、夜行性哺乳類を使って、光受容細胞の核構造の再編成が起きる仕組みを解明したと発表した。夜行性哺乳類の桿体細胞が持つクロマチンの空間構造形成に細胞核の動的変形が重要に関わっていることを解明した。JST戦略的創造研究推進事業の成果。

夜行性の哺乳類であるマウスの桿体細胞が持つクロマチンの空間構造形成は、昼行性の哺乳類の桿体細胞が持つクロマチンの空間構造から再構築(リモデリング)されることは知られていたが、その仕組みは謎だった。その謎を、新しい数理モデリング手法を用いて理論で提案し、生体内外の実験で証明することに成功した。

本研究では、非常に複雑な仕組みと考えられてきたクロマチン構造のリモデリング現象が、細胞の自然な物理的現象ともいえる細胞核のランダムな動的変形が関与していることを見いだした。

本研究成果は、8月28日(米国東部夏時間)に科学誌「PLOS Computational Biology」のオンライン版で公開された。