2019年09月26日 |
東大・名大など、新型の光応答性タンパク質の構造解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学、名古屋大学 |
東京大学院の志甫谷 渉氏(理学系)ら名古屋大学、名古屋工業大学の共同研究グループは26日、新型の光応答性タンパク質であるヘリオロドプシンの構造を解明したと発表した。 既知のロドプシンとはアミノ酸配列が大きく異なる、新規光情報伝達分子であるヘリオロドプシンの立体構造を明らかにした。これによりアミノ酸配列は異なるのに両者の基本的な構造は実は同じであることを発見した。細胞生化学解析の結果と合わせて、ヘリオロドプシンは通常のロドプシンとは膜内での配向が逆転した構造を持つことも明らかになった。 ヘリオロドプシンの細胞外側部分は疎水的なアミノ酸で塞がっており、イオンなどを通すことはできないと考えられた。一方、レチナールの上には横穴が空いており、レチナールの効率的な取り込みに重要であることが明らかになった。 この研究成果は、ヘリオロドプシンの構造機能を明らかにするとともに、ロドプシンの多様性や新規ロドプシンの探索に役立つと考えられる。 本研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(CREST)研究領域「光の特性を活用した生命機能の時空間制御技術の開発と応用」の一環(細胞内二次メッセンジャーの光操作開発と応用)して行われた。 |