2002年03月22日
旭化成の新規オレフィン系エラストマーの出足好調
今年8月には専用プラントを稼動
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成は新規オレフィン系エラストマー「SOE=スーパーオレフィニックエラストマー」(仮称)を開発し1月から有償で市場開拓中だが、マーケットの反応は極めて良好で、このため同社では今年8月から年産1万5,000トン能力の専用新プラントで本格企業化していくことになった。
 
 同社が開発に成功した新規エラストマー「SOE]の品種は2種類。1つはエチレン-ブチレン構造品種であり、もうひとつはエチレン-ブチレン-スチレン構造品種。
 前者はポリオレフィン、特にPPの耐衝撃性の向上効果が大きいため弾性と耐衝撃性とのバランスの最適化が図れる点が大きな強みとされる。このため、PPコンパウンドの軟質化やPPフィルムの低温耐衝撃性の向上、さらには低温ヒートシール性の改善などを目指す需要家の間で人気が急上昇しているという。
 また後者は、優れたクリープ特性を有する点が大きな特徴。このため、非ハロゲン系フィルム・シート向けに引き合いと注文が活発とのこと。
 
 現在同社では、既存のエラストマー製造装置の一部を使って生産した製品で需要家の注文に対応しているところ。しかし、同社川崎工場内で建設工事を進めている年産1万5,000トン能力の専用新プラントが8月には完成する見通しなので、夏以降はこの設備の持つ強みをフルに生かしながら本格的な製造・販売活動に乗り出すことになる。同品種が戦列に加わると、同社の熱可塑性エラストマー事業は一段と広がりと厚みを加えることになる。