2019年11月13日 |
東大・三重大、肺動脈性肺高血圧症 疾患遺伝子を同定 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学大学院医学系研究科の宮園浩平教授、三重大学大学院医学系研究科の丸山一男教授らの研究グループは13日、厚労省が難病に指定している肺動脈性肺高血圧症(PAH)について、発症・進展に関わる遺伝子(ATOH8)を同定したと発表した。 肺動脈性肺高血圧症は、さまざまな原因により心臓から肺に血液を送るための血管(肺動脈)の細い部分(肺細動脈)が異常に狭くなり、肺動脈の血圧が上昇して右心不全をきたす病気。これまで骨形成因子(BMP)の働きに異常が見つかってはいたが、その発症メカニズムについては不明な点が多かった。 研究グループは今回、BMPシグナルの標的遺伝子の中で、転写因子ATOH8の機能を失ったマウスに肺高血圧症の症状がみられること、培養細胞でATOH8が低酸素に対する細胞応答を調節することを明らかにした。 今回の研究成果は、PAHの発症・進展におけるBMPの役割の解明につながるとともに、将来的な新規治療法の開発に大きく貢献すると期待される。 国際的な科学雑誌「Science Signaling」2019年11月12日付に掲載される。 |