2019年11月25日

出光と東レ、有機EL素子で世界最高レベルの発光効率

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：出光興産、東レ

出光興産と東レは25日、熱活性化遅延蛍光（TADF）材料と赤色蛍光材料を用いた有機EL素子を開発し世界最高レベルの発光効率46 cd/A を達成したと発表した。 出光興産が発光効率と寿命を両立させた新規TADF材料、東レが発光スペクトル幅の狭い高色純度の赤色蛍光材料を開発したことで実現した。 有機ELディスプレイは赤・緑・青色の発光素子からなり、赤色発光素子には主にリン光発光材料が使用される。リン光発光材料は、電力を光に100％変換することができるが、素材にレアメタルを使用するため高コストであり、発光スペクトル幅が広く色純度が低いことが課題となっている。 一方、TADF材料を活用した技術は、リン光発光材料と同様に電力を光に100％変換できる。発光スペクトル幅の狭い蛍光材料を組み合わせることで高色純度を達成する特長を有する。素材にレアメタルを使用しないため、材料コスト削減できる。 両社は、2017年9月に有機EL材料で提携合意し、新規材料開発で協力してきた。今回、TADF材料を活用した赤色有機EL素子で現在主流の赤色リン光素子と同等レベルの結果を得たことは、 新たな技術の早期実用化につながるとしている。 両社は11月27～29日、札幌コンベンションセンターで開催される 26th International Display Workshops で技術内容について共同発表する。 ニュースリリース参照 https://www.idss.co.jp/content/100029217.pdf