2019年11月28日 |
三菱ケミカル、生分解性プラ「Bio PBS」展開進む |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:三菱ケミカル |
プラスチックごみによる海洋汚染が世界的な課題となる中、三菱ケミカルは28日、同社の生分解性プラスチック「Bio PBS 」について、“評価が高まり採用が広がっている”と、同事業の現状を発表した。 「Bio PBS」は、三菱ケミカル社が基本特許をもち関連会社であるタイの PTT MCC Biochem Company Limited (本社:バンコク)が生産している。現在、年間2万トンの生産能力を持つ。サトウキビやトウモロコシなど、植物由来のコハク酸が原料。三菱ケミカルは1980年代後半から開発に着手し、2013年頃から海外を中心に試験品を開発。タイ国内や米国のレストランチェーンなどでの試験販売を経て 2017年5月から本格商業生産を開始した。 ■広がる評価と製品の切り替え 2018年10月、「BioPBS」を用いた紙コップが日本紙パルプ商事から発売された。同社は「BioPBS」の生分解性だけでなく 耐熱性・柔軟性・シール強度にも注目し、紙コップの内面ラミネートをポリエチレンから「BioPBS」に切り替えた。 また、翌年3月には、京浜急行電鉄と同社グループ会社が国内初のストローに採用した。ワシントンホテル全施設のストローを切り替えた。世界的なアパレルブランドであるコム デ ギャルソンも世界19カ国の直営店のショッピングバッグ類を「BioPBS」に変更した。 農業分野でも評価が進んでいる。「BioPBS 」を用いた農業用フィルムの開発・実用化事業が、環境省の今年度「脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」の委託事業に採択された。 これなども“起爆剤”となった農業用マルチフィルムは農業生産に不可欠だが、使用後の回収・処分に大きな負荷が生じリサイクルが難しいのが現状だ。三菱ケミカルでは、さらに生分解を制御する方法を確立し、廃棄処理不要な農業用マルチフィルムの開発を目指すとしている。 ニュースリリース参照 https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1574919711.pdf |