2019年12月03日
東北大など、ムカデの「身のこなし方」解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学の石黒章夫教授、スイス連邦工科大学、北海道大学などの共同研究グループは3日、ムカデが陸上と水中を行き来する際の「身のこなし方」に着目し「理にかなった」運動パターンを生み出すそのメカニズムを解明したと発表した。

まず、トビズムカデが陸上と水中を行き来する際に歩行・遊泳間の遷移がどのように起こるかを観察した。また、胴体の中央付近で神経を切断した際に運動パターンがどのように変化するかも観察した。

これらの観察結果から、「脳からの運動指令が頭側から尾側に順に伝わるが、ある脚が地面から力を受けると、頭側から伝わってきた指令を上書きして歩行運動になる」という、伝言ゲームのような制御のメカニズムが存在することが示唆された。

このメカニズムを数式で表現し、シミュレーションにより行動観察結果を再現することに成功した。

この成果は、動物が環境に応じて柔軟に運動パターンを切り替えるメカニズムの解明につながる。また地上でも水中でも自在に動き回れる、環境踏破能力の高いロボットの実現にもつながると期待される。

同研究成果は、12月2日に英国の科学誌Scientific Reports電子版に掲載された。