2002年03月20日
宇部興産機械「油圧式射出成形機」を中国・無錫格蘭機械に技術供与
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産

 宇部興産機械(山口県宇部市、若林敏夫社長)は20日、中国江蘇省無錫市の「無錫格蘭機械有限公司」(温守仁董事長)と、油圧式射出成形機の技術供与を行うことで合意したため、21日無錫市で契約調印すると発表した。
 
 これにより無錫格蘭機械は油圧式射出成形機の製造・販売を行う。両社は、こんご型締力350トン~3500トンまでの油圧式射出成形機を中国市場へ投入する予定だ。
 
 宇部興産機械は特に大型射出成形機分野で大きなシェアを持っているが、無錫格蘭機械と組むことで、中国・アジア市場での販売競争力を高める。
 
 一方、無錫格蘭機械は中国大手の射出成形機メーカーで、中国国内に加えて中近東や東欧等海外へも輸出しており、特に1000t以上の大型機では中国最大手としての実績をもっている。
 
 中国内では今後家電・自動車業界を中心に大型機の需要増加が見込まれ、国内外メーカーとの競争が激化する中、同社は宇部興産機械から技術供与を受けて、油圧式射出成形機のさらなる大型化と品質向上を達成し、年間200台以上の販売増を目指す。

 契約期間は当面10年間とし、「格蘭・宇部」のブランドで販売する。当初は中国向けに販売するが、生産が本格化する1~2年後をめどに東南アジア等海外向けにも販売を開始する。
 
 また宇部興産機械と無錫格蘭機械は中国市場における販売提携も行ない、宇部興産機械が製造する全電動式射出成形機や技術供与に含まない特殊仕様機種も無錫格蘭機械の販売網を通じて販売する予定。
 
 宇部興産機械は4月から100%出資の現地法人「宇部興産機械上海有限公司」で小型ダイカストマシンの現地生産を開始する。引き続き成形機の現地生産も視野に入れた取り組みをしていく。射出成形機は中国メーカーと組むことで、市場に密着した製造・販売を推進し、拡大する中国市場の早期獲得を目指すとしている。