2019年12月06日
「東大発エボラワクチン」第1相臨床試験開始へ
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東京大学医科学研究所の四柳宏教授と河岡義裕教授らのグループは5日、「東大開発エボラウイルスワクチン」の第1相臨床試験を開始すると発表した。成人男性(20~40代)30人のボランティア協力を得て実施する。

エボラ出血熱は、エボラウイルスの感染によって引き起こされる急性熱性疾患。突然の発熱とともに疼痛、脱力感等の症状が現れる。致死率50~90%と非常に高いが、いまだに有効な治療法が開発されていない。

海外では、さまざまなタイプのワクチンが開発されている。最近では、WTOの主導のもとで2件の臨床試験が行われた。だが、1つは効果は認められたが、ワクチン製造に大量のウイルスが必要なため、製造効率が課題となった。もう1つも大規模な臨床試験の結果、副作用など安全性の問題が懸念されることがわかった。

2件ともその後研究は進まず、実用化にはいたっていない。エボラ出血熱の予防法や治療法の確立は最重要の課題であり。製造効率の高い安全な次世代ワクチンの開発が広く期待されている。

今回、東大で実施する第1相臨床試験には、河岡教授らが開発した新しい東大発のエボラウイルスワクチンを使用する。エボラウイルスの遺伝子の一部を欠損した変異エボラウイルスを基に作製されているため、安全性に優れ、ワクチン効果も高い。

河岡教授らは、この変異エボラウイルスを過酸化水素水で不活化し、ワクチンを霊長類(サル)に接種してその効果を評価した。その結果、このワクチンを接種したサルは、その後、致死量のエボラウイルスを接種されてもエボラウイルスに感染せず、エボラウイルス感染を防御していることを確認した。


ニュースリリース参照
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/files/150327.pdf