2020年01月06日 |
<新年挨拶> 三菱ケミカルホールディングス社長・越智 仁 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:三菱ケミカルホールディングス |
【2019年の振り返り】 2019年は「成長の加速と新たな社会に向けた基盤強化」の年と位置づけ、 当社では先端技術・事業開発室の機能強化を、三菱ケミカルではデジタル・トランスフォーメーションの推進、ITシステム・R&D機能強化、各リージョンにおける“One MCC”の取り組みを、田辺三菱製薬ではデジタル技術の研究開発やMRへの応用を、大陽日酸では大型M&Aによる欧州での事業基盤の獲得を、生命科学インスティテュートではMuse細胞の生産拡大など、各事業会社において基盤強化に向けた諸施策を推進してきた。 米中貿易摩擦やBrexit、中東の地政学的リスクなどにより先行きの不透明感はますます強くなっており、自動車や半導体関連の需要が低迷し、厳しい状況にある。しかしながら、医薬品事業における特殊要因を除いて考えれば、コア営業利益として3,000億円程度を安定して確保でき、平均的には3,500億円を達成できる水準までに、当社グループの収益性を向上させることができた。これは、APTSIS20を通じて行ってきた、ポートフォリオ改革の推進と成長戦略の着実な実行の賜物と思う。 【社会的課題への取り組みと科学技術の進化によるビジネスチャンス拡大 】 深刻な自然災害、廃プラスチック問題に関して、世界各国で対策が取られ始める中、サーキュラー・エコノミー構築に向けた機運が一層高まっている。様々な社会的課題への企業の取り組みについて、ESGを評価基準とする投資の割合が、特に中長期視点の投資家を中心に年々増加しているが、当社がダウ・ジョーンズ ・サステナビリティ・インデックスにおいてワールドクラスの評価を維持できていることは、ESGという側面においても社外から評価されていることの証左と考えられる。 他方で、科学技術の進化は凄まじいものがあり、特にデジタル技術やバイオサイエンス技術の革新は、私たちにとって大きなリスクであると同時に多大なるチャンスである。既に シリコンバレーに設立したDiamond Edge Venturesを通じてベンチャーとの関わりを強化しているが、インキュベーションネットワークを網の目のように広げ、投資や技術支援を通じて自ら育て上げることで、ビジネスチャンスにつなげていきたい。 【2020年は「2030年の「あるべき姿」に向けた計画策定」の年に】 今年は以下の3点を積極的に進めたい。 (1)次期中期経営計画、 APTSIS 25(仮称)の策定:2050年からバックキャストした2030年のあるべき姿へ向けての経営の基本方針である「KAITEKI Vision 30」をベースに、年末をめどに作り上げていく。 (2)働き方改革のさらなる推進:業務を見直し、高度化・自動化することで、付加価値の高い仕事に集中して取り組める環境を整備するとともに、いつでも、どこでも業務ができる体制を作り上げたい。 (3)リージョナルオペレーションの強化:地域統括拠点として各地域にしっかりと根付いた営業活動とマーケティングを行い、各事業会社において、海外拠点の運営・ガバナンス体制を一層強固なものにしていく。 |