2020年01月09日 |
理研、動物体内の左右非対称、分子レベルで初解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
理化学研究所 生命機能科学研究センターの濱田博司チームリーダーらの研究グループは9日、動物の体の内部のつくりが左右非対称となる仕組みを爬虫類では初となる分子レベルで解明したと発表した。 多くの動物の体は、表面的には左右対称だが、体の内部構造のほとんどは非対称だ。分子レベルの研究から、胚発生の初期に細胞の動く繊毛がつくり出す水流が、Nodalタンパク質というシグナル分子の左右軸に沿った濃度勾配を生み、これが心臓をはじめとする臓器の形や配置における左右非対称性をつくり出すことが知られている。 この仕組みは、哺乳類、両生類、硬骨魚類で共通だが、鳥類(ニワトリ)の胚には動く繊毛がないことから、脊椎動物の中で鳥類は例外扱いされてきた。 今回、共同研究グループは、理研でモデル生物としてのリソース化を進めてきた爬虫類ソメワケササクレヤモリとスッポンを用いて調べた結果、鳥類と同様に爬虫類も繊毛に依存せずに左右非対称となる仕組みを持つことが分かった。 また、爬虫類と鳥類とで共通した仕組みは、脊椎動物が本来2つ持っているNodal遺伝子の使い分けが影響し、羊膜類の進化の中で哺乳類を導いた系統から分岐した後、爬虫類と鳥類に至る系統で獲得されたことを示した。 同研究の詳細は、英国のオンライン科学雑誌「Nature Ecology & Evolution」(1月6日付)に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.riken.jp/press/2020/20200109_1/index.html |