2020年01月14日 |
山梨大など、燃料電池の劣化大幅抑制 新触媒開発 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:NEDO |
NEDOは14日、燃料電池自動車(FCV)用燃料電池の革新的な電極触媒技術開発の一環として、山梨大学、田中貴金属工業と共同で、燃料電池の劣化を大幅に抑制する白金-コバルト合金水素極触媒の開発に世界で初めて成功したと発表した。 この触媒を燃料電池に組み込むことで電解質膜の耐久性が従来比4倍以上に高まり、FCVや定置用燃料電池の耐久性の飛躍的な向上が期待できる。 今回、NEDOと山梨大学、田中貴金属工業は、電解質膜を分解劣化するラジカル発生源となる過酸化水素(H2O2)の発生速度を大幅に抑制する白金‐コバルト合金水素極触媒を開発した。 試作触媒でのH2O2発生速度抑制効果をもとに、白金‐コバルト合金ナノ粒子/炭素触媒(PtCo/CHT触媒)の量合成を可能にした。このPtCo/CHT触媒のH2O2発生速度が、従来使用されてきた市販の白金/高表面積カーボンブラック担体触媒(市販Pt/CB触媒)に比べて半分以下に抑えられることを確認した。 このPtCo/CHT触媒を水素極として塗布した電解質膜を用いた燃料電池単セルの加速劣化試験を行ったところ、従来の燃料電池向け市販Pt/CB触媒を水素極に用いた場合に比べて耐久性が4倍以上向上することがわかった。 今後は自動車会社などと連携して同触媒を用いた燃料電池の高性能・高耐久化に向けた開発をさらに進める。 この研究成果は、1月9日に英国王立化学会(RSC)発行の科学誌「Journal of Materials Chemistry A」のオンライン速報版で公開された。 ニュースリリース https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101266.html |