2020年01月22日 |
産総研、小型で軽量な自然冷却型有機熱電材料 開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:産業技術総合研究所 |
NEDOは22日、低温で利用が難しい200℃以下の未利用熱を有効利用できる有機熱電変換材料の開発プロジェクトのなかで、産業技術総合研究所(産総研)が、有機熱電材料で作るモジュールの熱と電気の抵抗を最適化し、自然冷却が可能な有機熱電モジュールを世界で初めて開発したと発表した。 100℃から120℃の低温熱源に設置するだけで、測定データなどを無線通信するための十分な電力が得られることを実証した。 熱電発電モジュールは、発電出力が温度差の2乗に比例するため、温度差を生み出す工夫が必要だが、そのためにファンなどで強制的に冷却することは、小型軽量化や省エネ化に逆行し現実的ではない。今回開発した有機熱電モジュールは、自然冷却でも無線センサー用電源として利用できるため、小型・軽量で製造コストが低い上に、冷却のためのコストが不要となる。 さまざまな場所の未利用の低温熱源から電力を得ることで、IoT社会に欠かせない無線センサーネットワーク機器への実装が期待される。 <用語の解説> ◆有機熱電材料とは :温度差を電気に直接変換できる熱電材料のうち、有機材料を用いたものをいう。熱電変換では、高温に耐えうる無機の熱電材料の研究開発が長く行われてきたが、排熱再利用技術の高度化にともない、残された未利用熱が200℃以下と低温度化してきたことから、有機熱電材料の研究も盛んになってきた。熱電材料やモジュールでは、熱起電や電気伝導度の大きいことが発電には有利で、熱伝導率が小さいことが温度差を大きくとれて有利となる。 |