2020年01月22日 |
東北大、転写因子Nrf2がアルツハイマー病治療に効果 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学の山本雅之教授(医学系研究科)らの研究チームは21日、遺伝子改変を利用した解析手法を用いて、転写因子Nrf2がアルツハイマー病モデルマウスの病態を改善することを明らかにしたと発表した。アルツハイマー病の新たな治療へのアプローチに繋がるとしている。 アルツハイマー病では、脳内で発生する酸化ストレスや炎症が、病態を悪化させることが知られてきた。転写因子Nrf2は、酸化ストレスを軽減するための遺伝子の発現を増加させたり、病的な炎症を引き起こす遺伝子の発現を低下させることで、様々なストレスから細胞を保護する役割を果たしている。Nrf2は多くの病気の予防に貢献しているが、アルツハイマー病におけるNrf2活性化の効果は知られていなかった。 今回の研究では、遺伝子改変によってNrf2を活性化する解析方法に加えて、ワサビに含まれる天然化合物6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)を投与しモデルマウスの病態改善作用を検討した。 その結果、遺伝子改変によるNrf2活性化が、アルツハイマー病モデルマウスの脳内の酸化ストレスや炎症を抑制して、その病態が改善することがわかった。さらに、天然化合物である6-MSITC投与によるNrf2活性化も、アルツハイマー病を改善させることが明らかとなった。 この成果は米国時間1月13日に米国科学雑誌「Molecular and Cellular Biology」のオンライン版で公開された。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20200121_01web_Nrf2.pdf |