2020年01月23日

住友ゴム・茨城大「タイヤ用ゴム内部の材料観測」成功

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：住友ゴム工業

住友ゴム工業は23日、茨城大学と共同でタイヤ用ゴムに含まれるさまざまな材料を選択的に観測できる新手法を世界で初めて確立したと発表した。 茨城大学が開発した量子線顕微鏡を用いて、タイヤ用ゴム製品そのものの評価が可能となる画期的な手法を確立した。ゴム内部の硫黄架橋の粗い部分・密な部分(粗密)が鮮明に観測できる。 自動車タイヤ用のゴムは、天然ゴムや合成ゴムなどのポリマーのほか、カーボンやシリカなどの補強材など数十種類の材料からできており、タイヤ内部で階層構造を形成している。 このため、タイヤ性能の向上にはタイヤ用ゴムの内部の各材料をそれぞれ分けて観察し、その階層構造を明らかにすることが必要となる。 　 特にゴムの弾性を生み出す硫黄架橋の構造は、ゴムの強度や劣化などの経年変化に大きく関係すると考えられているが、ゴム内部の詳細な構造まではつかめなかった。 住友ゴムと茨城大学は今回、タイヤ用ゴム内部の材料を選択的に観測できる手法を確立した。従来できなかった硫黄架橋や補強材など特定の成分がそれぞれ色付けされた鮮明な画像でとらえられる。 これにより、タイヤそのものの構造を評価することが可能となる。燃費性能や耐摩耗性能などに優れたタイヤの開発加速につながるとしている。 ＜用語の解説＞ ・ 硫黄架橋とは　：硫黄を混ぜた生ゴムに、熱と圧力を加えることでゴム内部のポリマー同士を連結させること。これにより高い弾性を持つゴムとなる。 ニュースリリース参照（茨城大学） https://www.ibaraki.ac.jp/news/2020/01/23010639.html