2020年01月27日
東北大など、薄膜吸着・100兆個以上の分子形状変化
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

東京大学、東北大学、筑波大学、産業技術総合研究所などの共同研究グループは24日、有機半導体単結晶超薄膜が基板に吸着する際の分子形状を0.1ナノメートル(100億分の1メートル)の精度で決定することに世界で初めて成功したと発表した。

その結果、比較的剛直な構造を持つ有機半導体であるにもかかわらず、基板に物理吸着することで、100兆個以上におよぶ全ての分子が同じように形状を変えることを明らかにした。

近年、有機半導体を基板上に印刷することで、超薄膜を製造することが可能になりました。この超薄膜中では、1cm2あたりに100兆個以上の分子が自ら集合することで、高品質の単結晶が形成される。


この物理吸着に伴う分子形状の変化は、超薄膜の厚さを制御することで抑制され、半導体デバイスの性能指標である移動度が40%以上向上することも明らかにした。

本研究成果は、英国科学雑誌「Communications Physics」2020年1月23日版に掲載された。

本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金の助成を得て行われた。


ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20200123_02web_kiban.pdf