2020年01月30日
理研、日本人の食習慣に関連する遺伝的特徴を解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所 生命医科学研究センターの岡田随象主管研究員(大阪大学教授)、東京大学の鎌谷洋一郎教授らの共同研究グループは30日、日本人約16万人の遺伝情報を用いた大規模なゲノムワイド解析(GWAS)により、食習慣と遺伝子との関連を同定したと発表した。

これらの遺伝子が、さまざまな病気や臨床検査値に対しても多面的に関連することを明らかにした。

同研究成果は、日本人の食習慣に関連する遺伝や遺伝学的影響による食習慣と病気のリスク、個別化医療の実現に貢献すると期待できる。

アルコールやコーヒーなどいくつかの食習慣に、個人の遺伝的背景が影響していることはこれまでも報告されてきたが、日本人集団についての全容は明らかになっていなかった。

今回、共同研究グループは、飲酒(飲酒量、飲酒歴)、飲料(コーヒー、緑茶、牛乳)の摂取頻度、食品(ヨーグルト、チーズ、納豆、豆腐、魚、小魚、野菜、肉)の摂取頻度の13項目について、日本人集団の遺伝学的解析を行った。新たに延べ10項目に対する9遺伝子座の関連を同定した。

さらにそのうちの5カ所は、病気や臨床検査値とも関連があることが分かった。特に、9項目の食習慣に影響することが判明したALDH2遺伝子の遺伝子多型(rs671)が、心筋梗塞や2型糖尿病などの12種類の病気、HDLコレステロールや白血球数などの29種類の臨床検査値に対して関連を持つことが明らかになった。

これらの研究成果は、英国の科学雑誌「Nature Human Behaviour」(1月20日付)に掲載された。