2020年02月06日
昭電、HDDの次世代記録技術対応 HDメディア開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工は6日、ハードディスクドライブ(HDD)の次世代記録技術である熱アシスト磁気記録(HAMR)に対応した次世代HD メディアの製造技術を開発したと発表した。今後、本格展開に向け準備を進める。

クラウドサービスの普及や動画コンテンツ、画像共有サイトなどの急拡大により世界のデータ生成量は年率40%以上の増加が見込まれている。これに伴い大量のデータを保管するデータセンターでは、より大容量のHDDが求められる。

同社は、HAMR 対応HDD の製品化に貢献するため、最も強力な磁性材料の一つで耐食性にも優れるFe-Pt 系磁性合金薄膜を用い、磁気記録層の層構成、メディア製造時の温度制御等に独自の工夫を加えた。

この結果、現在の最先端HD メディアの数倍もの高い保磁力を有しながら、結晶粒径の微細化と最適な分散制御により低ノイズを実現し、電磁変換特性・耐久性ともに業界最高レベルに達するHD メディアの製造に成功した。

<ニュースリリース参照>
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1580976479.pdf


<用語の解説>
 ◆HAMR(Heat Assisted Magnetic Recording):微細な粒子構造、耐熱揺らぎ性能、磁化のしやすさの3要素を同時に満足させることが困難な状態「磁気記録のトリレンマ」を解決するために、記録時に磁性膜を局所的に加熱して記録する方法。従来の磁気記録方法を用いたHD メディアの記録密度が約1.14Tb/in2 であるのに対し、HAMR 技術を使用した場合、将来には5~6Tb/in2 を実現できるといわれている。同じディスク枚数であれば、3.5 インチHDD1 台当たり70~80TB 程度の記録容量が実現可能と想定されている。