2020年03月05日
NEDO・日立、南アフリカで海水淡水化 実証開始
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEDO

NEDOと日立製作所は、水不足が深刻な南アフリカ共和国のダーバン市で海水淡水化・水再利用統合システムの実証事業に取り組んでいるが、このほど現地での土木建築工事や機器の据え付け、試運転を終え、システムの実証運転を開始した。

NEDOが開発したシステム「RemixWater」を基に、海水と排水から日量6,250トンの飲料水を生産する計画。下水を再生処理する過程で排出される水を用いて海水を希釈し、塩分濃度を下げることで、従来の海水淡水化システムで必要だった高圧ポンプ(6~7MPa)を中圧ポンプ(3~4MPa)に置き換える。これにより消費電力を従来比30%以上削減する。

今後は、計画水量(日量6,250トン)の安定的な造水とともに、生産水の水質が南アフリカの飲用基準を達成していることを確認する。

また、海水淡水化はふつう、塩分濃度の高い濃縮海水の排出により周辺海洋環境への影響が問題となるが、今回の実証システムは、希釈した海水を淡水化するため、排水の塩分濃度による海洋環境への影響は生じない。