2020年03月09日 |
再エネ利用・世界最大級の水素製造施設が稼働 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:NEDO |
NEDOは7日、東芝エネルギーシステムズ、東北電力、岩谷産業の4者で福島県浪江町に建設していた、再生可能エネルギー利用による世界最大級(10MW)の水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R))」が完成し、同日 稼働開始したと発表した。 再生エネルギーで毎時1,200Nm3(定格運転時)の水素を製造する能力を持ち、電力系統に対する需給調整を行うことで、クリーンで低コストな水素製造技術の確立を目指す。 FH2Rは、18万m2の敷地内に設置した20MWの太陽光発電の電力を用いて、世界最大級となる10MWの水素製造装置で水を電気分解し、毎時1,200Nm3(定格運転時)の水素を製造し、貯蔵・供給する。 水素の製造・貯蔵は、水素需要予測システムによる市場の水素需要予測に基づいて行う。また、電力系統側制御システムによる電力系統の調整ニーズにあわせて、水素製造装置の水素製造量を調節することにより、電力系統の需給バランス調整を行う。この水素の製造・貯蔵と電力系統の需給バランス調整の最適な組み合わせを、蓄電池を用いることなく水素エネルギー運用システムにより実現することが今回の実証運用の最大の課題となる。 FH2Rでは、今後、実証運用を行い、それぞれの運転周期の異なる装置で、電力系統のディマンドリスポンス対応と水素需給対応を組み合わせた最適な運転制御技術を検証する。 なお、製造した水素は圧縮水素トレーラーやカードルを使って輸送し、福島県や東京都などの需要先へ供給する予定だ。 |