2020年03月27日
「第6回日化協LRI賞」に徳島文理大の角准教授
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 日本化学工業協会は27日、“化学物質が人の健康や環境に与える影響”で優れた業績をあげた研究者を表彰する第6回日化協LRI賞受賞者が、徳島文理大学 薬学部の角 大悟(すみ だいご)准教授に決まったと発表した。

 テーマは「慢性ヒ素中毒の発症機構と生体応答に関する研究」で次の業績が評価された。
(1)ヒ素化合物の毒性発現を左右する因子として、ヒ素の輸送機構と解毒機構に着目し、抱合と排泄を促進する転写因子Nrf2 がヒ素毒性の軽減因子として働くことを明らかにした。また慢性ヒ素ばく露による心毒性とNrf2活性化能の関連を示し、Nrf2 がヒ素化合物の蓄積、毒性発現に中心的な役割を果たすことを示し、ヒ素化合物の毒性メカニズム解明に貢献した。
(2)ヒ素の解毒に関わるヒ素メチル基転移酵素の発現調節機構の研究から、mRNA の選択的スプライシングが解毒機能の低下を引き起こすことを示し、多くの化学物質の毒性発現機構における新しいターゲットとして、毒性発現機構解明への貢献が期待される。

 授賞式は、2020年6月29日~7月1日、仙台国際センターで開催される第47回 日本毒性学会学術年会で行われる。

<用語の解説>
◆LRIとは :Long-range Research Initiative(長期自主研究活動)の略