2020年03月31日
JXTGエネ、東大院「バイオマス・ショア構想」に参画
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:JXTGエネルギー

 JXTGエネルギーは31日、東京大学大学院 農学生命科学研究科の「バイオマス・ショア寄付講座」に、三菱ガス化学、三菱商事、日新商事と共同で4月から参画し、寄付を行うと発表した。

 東大大学院の倉橋みどり特任准教授らは「バイオマス・ショア構想」として、 大気中の二酸化炭素を削減しながら産業活動を行う社会の構築実現をめざしている。砂漠の海岸で海洋深層水を汲み上げ、温度差を利用して海水と淡水に分ける。このエネルギーには砂漠に豊富にある再生可能エネルギーを利用する。
 
 現在、中東などで行われている温度差淡水化事業では、濃い海水は捨てられているが、「バイオマス・ショア構想」では、濃い海水を使って砂漠海岸地帯に大規模水田を造成し、Dunaliellaという高度好塩性藻類を培養する。
海洋深層水には窒素、リンなどが表層海水の数十倍含まれており、さらに太陽光で濃縮させるて肥料コストを圧縮する。抽出される脂質は食料用や化学品の原料として利用できる。“砂漠海岸にバイオマス・コンビナート”をつくるという構想だ。

 講座の開設は2016年で、これまでの第1期計画では、バイオマス・ショア構想の基本コンセプトの構築、確認などを行ってきた。20年4月からは第2期に入り、同構想の実現可能性を検証することにしている。

 JXTGエネは、遺伝子組換えを一切行わず、独自の発酵技術で天然色素であるカロテノイドの生産性を高め、アスタキサンチンやレアカロテノイドの商品化を進めてきた。 高塩濃度海水で培養して得られる藻類には、タンパク質、グリセロール、グルタチオン、脂質などのほか、カロテノイド類が含まれることから、同講座への参画を決定めた。


ニュースリリース
https://www.noe.jxtg-group.co.jp/newsrelease/20200331_01_%201090046.pdf