2020年04月07日 |
理研チーム、1細胞RNA解析で世界最高成績示す |
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理化学研究所は7日、生命機能科学研究センターの笹川洋平上級研究員らの研究チームが「高出力型1細胞RNAシーケンス法」の国際的な性能比較研究に参加し、同研究室で開発された手法「Quartz-Seq2」が世界最高性能を示したと発表した。 ヒトの臓器は、多種多様な細胞が互いに関連して臓器の機能を支えている。だが、臓器に含まれる細胞種やその数、それぞれの細胞の機能については、十分に理解が進んでいない。臓器の疾患の理解や診断、創薬を精緻に行うためには、それらを調べる必要があった。 同手法は今後、細胞分化や臓器・器官発生などの基礎研究から、再生医療や創薬などさまざまな研究分野の発展に貢献すると期待できる。 近年、高出力型1細胞RNAシーケンス法により、臓器に含まれる全ての細胞種と機能を同定し、これにより疾患の解明や発生の機序を理解する研究が盛んだ。現在、ヒトの全種類の細胞を調べる国際プロジェクト「ヒト細胞アトラス(HCA)」計画が進められ、疾患解明や創薬研究などが進展すると期待されている。しかし、1細胞RNAシーケンス法はいくつかの手法が提案されており、その特性の違いが理解されていなかった。 今回、1細胞RNA-seq法の中で世界的に主要な13手法の開発者・企業が参加しその性能を比較する研究が行われた。その結果、研究チームが開発したQuartz-Seq2が総合的な性能スコアで世界最高成績を収めた。 同研究は、科学雑誌「Nature Biotechnology」の掲載に先立ち、オンライン版(日本時間4月7日)に掲載される。 ニュースリリース https://www.riken.jp/press/2020/20200407_1/index.html |