2020年04月21日 |
理研、高強度・光電場「「光シンセサイザー」開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
理化学研究所は、光量子工学研究センターの緑川克美センター長らの国際共同研究グループが、高強度かつ任意の光電場を作り出せる「光シンセサイザー」の開発に成功したと発表した。 同研究成果は、ギガワット(1ギガは10億)を超えるピーク出力を持つ、軟X線・アト秒レーザー(1アト秒は100京分の1秒)の開発につながると期待できる。 今回、国際共同研究グループは、波長の異なる3色のフェムト秒(1フェムト秒は1000兆分の1秒)レーザーパルスを時空間で精密に制御・合成することで、アト秒レーザーを極めて強く発生できる光シンセサイザーを開発した。 この光シンセサイザーは、2.6テラワット(テラは1兆)のピーク出力を持ち、近赤外域において1オクターブを超える波長帯域(800~2020nm)をカバーできる。さらに、光シンセサイザーの電場形状を精密に制御し、励起レーザーとして用いることで、光子エネルギー65エレクトロンボルト(eV)でピーク出力が1ギガワットを超えるアト秒レーザーを安定して発生することにも成功した。 同研究は成果は、オンライン科学雑誌「Science Advances」(4月18日)に掲載された。 <用語の解説> ◆軟X線とは :波長が0.1~10nm、光子エネルギーが100~10000eV(エレクトロンボルト)の範囲にある光。 ◆アト秒レーザー :時間幅がアト秒域の極短パルスのレーザー光。孤立アト秒パルスレーザー、アト秒パルスレーザー、単一アト秒パルスと呼ばれることもある。 ニュースリリース https://www.riken.jp/press/2020/20200418_1/index.html |