2020年04月24日 |
理研、細胞画像のわずかな違い見分けるAI開発 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学、理化学研究所、国立遺伝学研究所の研究チームは23日、大量の細胞画像から一つひとつの細胞を切り出し、未知の情報を解析する技術を開発したと発表した。人間の目ではとらえにくいわずかな細胞内の変動をAIが発見し教えてくれるという。 細胞内の組成や構造は周期ごとに大きく変わると見られているが、実際に何がどのように変動するのかを顕微鏡画像で解析することは困難だった。 今回、研究チームはディープラーニングを使って、細胞周期によって変動するパラメータを画像の中から見つけることに成功した。これまで研究者が「なんとなく」とらえていた現象や、見過ごしていた情報を、AIの手助けにより発掘・定量化しようという試みだ。 その結果、DNAやゴルジ体の染色画像の中から、細胞周期によってわずかに変動する特徴を見つけた。この情報を使って画像を詳しく解析したところ、核やゴルジ体の面積などの特定のパラメータを測定することで画像から細胞周期を分類できることが分かった。つまり「画像のどこに着目すれば目的の情報が得られるのかAIが教えてくれる」という研究サポートツールを開発した。 開発したツールは汎用性が高く、ほかの多くの研究に応用できると想定される。細胞・発生生物学から医療画像の解析など、基礎から応用まで幅広い分野の研究をサポートすると期待される。 同研究の成果は、4月22日米国細胞生物学会誌「Molecular Biology of the Cell」に掲載された。 ニュースリリース https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/info/6829/ |