2020年04月28日
東北大“かすみ”を食べて大増殖する細菌株発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 ふつうは炭素源を添加しないと増殖しない細菌株だが、たった1つの遺伝子の高発現で炭素源がなくても増殖するように「変身」することを東北大学大学院の永田裕二教授(生命科学研究科)らのグループが発見したと、28日発表した。

 環境に常在する従属栄養細菌は、通常は有機炭素源がないと増殖できないとされるが、永田教授らのグループは、従属栄養細菌株が、たった1つの遺伝子adhXを高発現するだけで、CO2を取り込み、有機炭素源を添加しなくても増殖できるように「変身」する現象を発見した。

 この成果は前例のない新規現象の発見となるが、その増殖には大気中のCO2が必須なことから、新規CO2固定経路の存在も示唆される。
 
 また、本現象は有用細菌の効率的利用(炭素源の添加が不要)や有害細菌の増殖抑制(食品・医療器具等の汚染防止)に応用可能であり、将来的にはCO2削減問題への貢献も期待される。

 同研究結果は、4月20日付でMicrobiology誌オンライン版に掲載された。