2020年05月11日

島津製作所、新型コロナ治療薬候補試薬 6種類発売

【カテゴリー】：ファインケミカル 【関連企業・団体】：島津製作所

島津製作所は11日、新型コロナウイルスの治療薬候補である6つの既存薬に対応する安定同位体試薬を同日から発売したと発表した。グループ会社である仏Alsachim SAS （ALC社）が開発、製造する。日本国内の販売は島津ジーエルシー（東京都台東区）が担当する。 安定同位体試薬とは、「化学的性質は同じながら質量数の異なる原子」である安定同位体で標識化された試薬のこと。質量分析計を用いて定量分析を行う際に内部標準物質として使われる。近年、欧米の病院など臨床現場では、液体クロマトグラフ質量分析計による「血中薬物モニタリング（TDM）」が盛んだ。 例えば、患者に免疫抑制剤を投与する際、投薬量を緻密に管理するには、血中の薬剤濃度を測定・監視するTDMが有効な手段となる。また製薬企業や研究機関による医薬品開発でも、治療効果や副作用と血中の薬物濃度の関係を調べる際に、安定同位体試薬が用いられる。 ALC社は3月にレムデシビルやインフルエンザ治療薬（一般名：ファビピラビル）などの薬剤濃度測定に用いる安定同位体試薬を開発し、主に欧州地域で販売してきた。 ニュースリリース参照 https://www.shimadzu.co.jp/news/press/cz5xzwg-ixwp3lm4.html