2020年05月20日 |
金沢大、有機ホウ素に光放射、新有機合成技術 開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
金沢大学の大宮寛久教授(医薬品保険研究域)をはじめ、東京医科歯科大学、理化学研究所の研究グループは18日、さまざまな測定技術を用いて可視光を吸収できるように設計した有機ホウ素化合物に光照射することで、高い反応性を持つ化学種である炭素ラジカルを発生させることに成功したと発表した。 有機化合物を高価な光触媒を使わず、可視光によって直接励起し、直鎖および分岐鎖の炭素ラジカルを発生させた世界初の例となる。 研究グループは、ホウ素原子が環状分子骨格に埋め込まれた「ボラセン」から調製される有機ホウ素アート錯体を独自に設計・合成した。有機ホウ素アート錯体と可視光により発生させた炭素ラジカルは、化学反応の炭素源として活用でき、これまで困難とされていた複雑かつかさ高い有機化合物などをつくり出すことができる。 研究成果は,有機ホウ素化合物と光エネルギーを組み合わせることで可能となる新しい有機合成技術を提供したといえる。今後、創薬などの研究をより一層加速させるものと期待される。 ニュースリリース https://www.kanazawa-u.ac.jp/wp-content/uploads/2020/05/200518.pdf |