2020年05月29日
理研など、「例外」を発見するAIを開発
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理化学研究所と物質・材料研究機構の共同研究チームは、「例外」の発見に特化した人工知能(AI)「BLOX」を開発したと発表した。さらにこのAIを用いて、例外的な光を強く吸収する低分子量の有機化合物を複数発見することに成功した。

同研究成果は、材料分野だけでなく、幅広い科学分野で例外的事象の探索に活用できると期待している

これまでに材料開発を飛躍的に発展させてきた要因は、予想や想定ができない、いわば例外の発見だった。しかし既存のAIでは、人間が望む材料特性を予め設定することで新材料を開発してきており、例外的な物質を探すことはできなかった。

今回、共同研究チームは、機械学習をうまく組み合わせることで例外の度合いを数値化し、例外的な物質を効率的に発見するAIを開発した。これ を「BLOX」と名付た。

BLOXを検証するために、量子力学に基づいた分子シミュレーション技術と組み合わせた結果、例外的な光吸収特性を持つ有機化合物候補を多数発見した。そのうちの8個を実際の化合物で評価したところ、250ナノメートル以下や450nm以上の波長の光を強く吸収する例外的な特性を持つことを確認できた。
これらの化合物は、色素や有機太陽電池などの機能性材料として有用となる。

同研究は、科学雑誌「Chemical Science」の掲載に先立ち、オンライン版(5月28日付)に掲載された。