2020年06月05日
三菱ケミカル、中国・赤色蛍光体特許2件 勝訴
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三菱ケミカル

三菱ケミカル(MCC)と (国研)物質・材料研究機構(NIMS)は5日、両者が共有する赤色蛍光体に関する 中国特許 に対して、中国企業2社が特許の無効を訴えていた行政訴訟で、裁判所がその訴えを退け、同特許の有効性を支持する勝訴判決を得たと発表した。

無効を訴えていた(上訴人)のは(1)煙台希爾徳新材料 (Shield 社)と、(2)英特美光電社の両社。
Shield 社との特許行政訴訟は第二審で原審と同様、同特許の有効性が支持され、今回判決で勝訴が確定した。

赤色蛍光体は通称 SCASN(または 1113 蛍光体)と呼ばれる窒化物系の蛍光体で、高い輝度と信頼性からLED 用として広く使用されており、MCC が製造販売する赤色蛍光体は、 LED メーカー各社の支持、評価を得ている。

一方、 MCC は2015年1月、Shield 社と英特美光電社およびその親会社である米国Intematix Corporation (英特美公司 )に対して、それぞれ 同特許に基づく特許侵害訴訟を深セン市中級人民法院に提起していたが、これについても 同法院はMCCの主張を全面的に認め、 Shield 社に対しては 特許侵害行為の差止めと MCCへの賠償金として600 万元(約 9000 万円)、また 英特美光電社らに対しては侵害行為の差止めと合計 200万元(約3000万円)の損害賠償金支払いを命じる判決を下した。

Shield 社と英特美光電社らは 、同判決を不服としてそれぞれ MCC を 控訴しており、現在、特許侵害訴訟第二審の審理中だが、今回、同特許の有効性が支持されたことで、今後の同訴訟の迅速な進行が期待できるとしている。


ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1591334252.pdf