2020年06月18日 |
東北大学、磁気異方性の四極子の役割 解明 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学 先端スピントロニクス研究センター(CSIS)の水上成美教授ら研究グループは17日、マンガン(Mn)とガリウム(Ga)からなる合金の薄膜の膜面に、垂直な方向に磁化の向きが揃うメカニズムを解明したと発表した。 マンガン原子の電子軌道の形を、放射光を用いたX線磁気分光の磁気円二色性(XMCD)、磁気線二色性(XMLD)と第一原理計算によって明らかにした。マンガン原子内の電子軌道の形を明確にし、マンガン合金の場合は鉄やコバルトやニッケルなどの身近な磁性体とは異なる起源であることを実証した。 マンガン原子が隣接間にて反対向きに揃うため、これまで困難だった膜に垂直方向の磁化の検出について、放射光の直線偏光の向きと試料の測定配置を工夫することで磁気分光計測ができるようになった。 マンガンガリウム合金は、鉄やコバルトとは異なり、四極子の形成が磁気異方性に重要であることを見出した。 これらの研究成果は、省電力で高記録密度な磁気デバイスの開発に繋がることが期待される。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/06/press20200616-01-four.html |