2020年06月24日 |
理研、「空腹の魚」の闘争行動と神経メカニズム発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
理化学研究所 脳神経科学研究センターの岡本仁チームリーダーらの国際研究グループは24日、ゼブラフィッシュの闘争行動を調べた結果、「空腹状態」にあるゼブラフィッシュほど降参・敗北しにくくなる神経メカニズムをもっていることが分かったと発表した。 同研究成果は、勝負において「ハングリー精神」が動物の行動をどのように制御するのか、その手がかりをつかむ糸口になると期待できる。 動物は食料などを取り合って同種間で闘争し、勝者が優先的に食料を得ている。空腹状態にある動物は、食料を得るために闘い続けるモチベーションが上昇していると考えられるが、これまで空腹が動物の社会的闘争行動に与える影響については明らかでなかった。 今回、国際研究グループは、ゼブラフィッシュを絶食(6日間)させると闘争において容易には降参しなくなり、結果として負けにくくなることを発見した。 また、絶食させた魚は、勝者としての振る舞いに関連する「手綱核-脚間核神経経路」の興奮が伝わりやすくなること、さらに、神経活動の変化を起こすメカニズムとして、脳内の神経ペプチドがグルタミン酸受容体の遺伝子発現の調節機構(スプライシング)に影響を与えることを見いだした。 同研究の成果は、オンライン科学雑誌「Cell Reports」(日本時間6月24日)に掲載される。 <用語の解説> ◆ゼブラフィッシュ (学名:Danio rerio) :インド原産の体長 5 cm ほどの小型の魚。和名はシマヒメハヤ。コイ目コイ科ラスボラ亜科(ダニオ亜科、 ハエジャコ亜科とも)に属し、オイカワ、コイや金魚などに近い。 ニュースリリース参照 https://www.riken.jp/press/2020/20200624_1/index.html |