2020年07月07日
東北大、グラフェン限界を超えるテラヘルツ波増幅
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

炭素原子の単層シートであるグラフェンは、電子有効質量がゼロなどの特異な物性を有することから、従来技術では困難な室温で動作するテラヘルツ光源・増幅素子を実現できる“夢の材料”として注目されているが、東北大学の尾辻泰一教授(電気通信研究所)らの国際共同研究チームは6日、グラフェンを使い、室温で電池駆動によるテラヘルツ電磁波の増幅に成功したと発表した。

研究グループは、グラフェンをチャネルとするトランジスタ素子を試作し、グラフェン内電子集団で形成される電荷振動量子、プラズモンを直流電流で励振することにより、グラフェンの電子がテラヘルツ波と直接相互作用して得られる理論限界を4倍も上回る巨大増幅作用を室温下で観測することに成功した。

テラヘルツ波を利用する次世代超高速無線通信である6G、7G実現のブレークスルーとなる画期的な成果としている。


同成果は、米国物理学会(Americal Physics Society)の国際学術論文誌「 Physical Review X 」の7月6日付にオンライン掲載される。