2020年07月07日
「通商白書」強靭なサプライチェーン構築を
【カテゴリー】:行政/団体
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経済産業省は7日、2020年版通商白書を発表した。この中でまず現状について「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界は戦後最悪の経済危機に直面している」と説明し、新型コロナの感染拡大は「経済社会の見直しを求めている」と指摘した。

また「感染拡大に伴い明らかになったサプライチェーンにおける生産体制、物流、人の移動という要素は、経済性・効率性とリスクの両面を再認識させるものとなった」、「生産活動がグローバル化する中で経済性・効率性による生産拠点の集中が進み、それが緊急時においては供給途絶リスクとして現れた」とし、「新たな危機にも柔軟に対応できるレジリエント(強靭)なサプライチェーンへの変革が求められている」と強調した。

さらに今後の課題として、世界的にデジタル化が加速する中で「新興国との共創を通じた新事業の創出」が重要とし「先進国の成長が鈍化傾向にある中、日本が今後も持続的な成長を実現するためには、新興国・途上国に積極的
に関与し、共に成長するというメカニズムを強化・構築していくことが肝要」と説いた。

そのためには「日本としてもアジア新興国へ資金・人材・技術・ノウハウを戦略的に投入し、新興国企業との連携による新事業創出を図る“アジア・デジタルトランスフォーメーション”(ADX)の推進が重要と、積極的な取り組みを促した。


通商白書2020の概要
https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200707001/20200707001-1.pdf