2020年07月16日 |
東北大、「植物の根を茎に変える」世界初成功 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院の柴田大輔客員教授(生命科学研究科)らの研究グループは「茎の性質を持った器官を根で作り出すことに世界で初めて成功した」と発表した。2つの転写因子を同時に活性化させることで根を作り出す根端の分裂細胞から茎の性質を持つ細胞を作出した。 食糧増産や化成品を代替する持続可能な材料の開発につながると期待される。 従来から、茎を作り出す茎頂の分裂組織を構成・維持する遺伝子の研究は進んでいたが、茎を作り出す仕組みそのものは不明だった。 柴田大輔客員教授は、かずさDNA研究所の花野滋特任研究員らとともに、茎を作り出している茎頂分裂組織で機能している2つの転写因子ATHB25とREM7を同時に活性化させると、根を作り出す根端の分裂細胞が茎の性質を持つ細胞を作り出すことを発見した。 食糧増産、植物バイオマス利用のためのゲノム編集や遺伝子操作では、未分化細胞から茎を分化させられないことが障壁だったが、それを解消する再分化制御技術の開発につながると期待される。 同研究結果は、米国科学雑誌Cellの姉妹紙iScience誌(7月14日付)オンライン版で公開された。 |