2002年03月19日
中国政府、SBRで「アンチダンピング調査」公告
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:JSR、旭化成、住友化学、日本ゼオン、三菱化学

 経産省によると、中国政府(対外貿易経済合作部)は19日、日本、韓国、ロシアを原産国とするスチレン・ブタジェンゴム(SBR)を対象に「アンチダンピング調査」を開始すると公告した。
 
 調査開始は3月4日の中国4社からの申請を受けて行われるもので、中国の「アンチダンピング条例」に基づきダンピングの実態や中国内産業の損害の状況に関する調査が行われる。
 
 公告によると、対象となるSBRは、関税番号「4002-1911」「同ー1912」「同ー1919」に該当する各品種で、SBRすべてではないらしい。公告では「ロシア、韓国及び日本を原産とする輸入初期段階の形状未加工SBR、初期段階の油展SBRその他初期段階のSBR及びカルボキシルSBRについて調査を開始するとしている。
 
 申請者は以斉魯石油化学、甲華科学工業、吉林化学工業、蘭州石化分公司の4社で、製品輸出価格と正常価格の比較により、ダンピングとダンピングマージンの存在を主張しているという。

 SBRは汎用合成ゴムの代表格で、自動車タイヤをはじめゴムベルト、ゴム管、電線カバーなどに広く使われている。国内メーカーはJSR、日本ゼオン、三菱化学、住友化学、旭化成、日本エラストマーの7社。
 
 経産省によると、わが国から中国へのSBR輸出量は1998年21,449トン,99年23,444トン、00年14,383トン、01年15,418トンと推移している。ただ今回、中国側はSBRのうちでも調査対象を特定品目に絞っている可能性があるため、そのまま参考にはならない。