2020年08月05日 |
京大、白金族高エントロピー合金 合成に成功 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学 大学院の北川 宏教授(理学研究科)らの研究グループは、白金族元素(PGMs)である6元素(白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os))を全て原子レベルで均一に混ぜ合わせたハイエントロピー合金(HEA)ナノ粒子(PGM-HEA)の合成に成功したと発表した。 さらに、PGM-HEAナノ粒子はエタノール酸化反応電極触媒として記録的に高い活性を示すだけでなく、従来の単純な金属触媒では達成できなかった12電子完全酸化反応が進行していることを明らかにした。 この反応は多様な反応中間体が存在し、12個の電子とプロトンが関与する複雑な反応だが、PGM-HEAは各構成元素それぞれが特異な素反応に対して高活性を示す白金族であり、かつそれらが原子レベルで混合することで粒子表面に多彩な吸着サイトを有するため、複雑な反応の各素反応を協奏的に促進させたものと考えられる。 この結果は、従来の金属触媒では達成できなかったその他の高難度反応に対しても、ハイエントロピー合金触媒が高活性をもつ可能性を示している。 同成果は、7月29日(米国東部時間)に米国の国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.jst.go.jp/pr/announce/20200803/index.html |